●春の上手な過ごし方 ②
中国の「陰陽五行説」によると、春は「肝」の季節です。中医学でいう肝は、肝臓のはたらきだけではなく、もう少し広範囲な意味を持っています。血をたくわえ、めぐらせるというはたらき以外に、精神・情緒面をコントロールするというはたらきがあるのが大きな特徴です。
春は、肝の機能が刺激されるため、ふつうなら気持ちが浮き立つところですが、入学、就職、異動など、環境の変化によってストレスを受けたり、もともと肝の気のめぐりに問題があると、かえって情緒不安定になったり、すぐにカッとなったり、といった精神的な症状が現れやすくなります。
春になると情緒不安定になりやすい人は、ますストレスが溜まりすぎていないか、あらためて生活をチェックしてみましょう。
また、できるだけリラックスできる時間をもつことも大切です。
春は、冬と違って早起きも辛くなくなる季節です。この「早起き」は、なによりもの春の養生法なのです。
いつもより早く起きたら、ぜひ散歩に出かけてください。芽吹き始めた木々を眺め、朝の新鮮な空気を吸うと、肝の気のめぐりがよくなって、一日快適に過ごせます。
なお、中国の春の健康法に、「大木を抱き、たたく」というものがあります。長寿の大木を両手で抱くことは、その木のエネルギーをからだにとりいれることになります。そして、木をたたくことで、身体の中のよどんだ気を発散し、ストレス解消に役立つといわれています。
この季節は、積極的に外出して自然を楽しむことが大切です。お花見や竹の子掘りや山菜採りなどに出かけるのもおすすめです。
仕事が忙しかったり、家事や子育てに追われていると、“自然と戯れる時間なんて”とないがしろにしてしまいがちです。
時間があれば、身体を休めたい。
でも、それでは悪循環から脱することができません。
不足してしまったエネルギーをどこかで補給しなければなりません。
そのためには、公園にでもでかけて草木と戯れ、自然から得られるエネルギーを身体に浸透させることが大切です。
ご自分の生活を、ちょっと見直してみませんか?
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