昨夜、久しぶりに混雑した電車に乗り合わせてしまいました。
トラブルの為にダイヤが乱れていたのが原因でした。
雑然とした車内の中、かつて毎日朝晩殺人的な混雑の通勤電車に乗って、多大なストレスを抱えていたことを思い出しました。
あの電車は、せっかく爽やかな朝を迎えたのに、とても不快になります。
一日の仕事を終えてぐったりした中、また不快な思いをいっぱい見に付けて家路に付くことになります。
毎日毎日、必ず不愉快な思いをします。
ガンガンにウォークマンの音を響かせる若者。
香水の匂いをプンプンさせている女性。
油ギトギトのおじさん。
タバコ臭い人。
居眠りして寄りかかってくる人。
ポニーテールの女性。(頭を動かすたびに顔に髪の毛の束が当たってくる)
長い髪をたらしている女性。(風になびいて、顔にまとわり付く)
咳を撒き散らす人。
無造作に新聞を広げる親父。
混雑の中でも頑なに本を広げる人。
脚を組んで座っているばか者。(←だんだん過激になってきた)
雨の日に、傘を押し付けてくる人。
混雑を言い訳に、お尻を触ってくる痴漢!
あ~ぁ、数え上げたらきりがない。
私は中学から電車通学を始め、その頃から毎日朝晩、痴漢に遭遇していました。
だから、通勤電車は私にとって一種のトラウマとなっています。
嫌で嫌でたまらない。
でも、それに乗らなきゃ学校へ行けない。会社へ行けない。
各駅停車に乗車したところで結局座れず、朝早く起きて長い時間混雑した電車に揺られるより、多少混雑の具合がひどくても、短時間我慢すればいい急行に乗っていました。
何をどう考えても、嫌なものは嫌。
こんな不快な通勤がず~っと続くと思うと、途方に暮れてしまいます。
「何故、皆はこんな電車に平気で乗れるんだろう?」 (決して平気なわけじゃないと思いますが)
と真剣に悩んでいました。
「私は、なんでこれほど嫌と感じてしまうのか?」
毎日何度も自問自答しているうちに、一つの答えにたどり着きました。
“赤の他人と密接に身体を合わせなければならない状況に、我慢ならない。”
でも、通勤電車で身体が触れ合わないほど距離を置くことは不可能です。
そこで私が取った方法は、“自らの感覚を閉ざす” ことでした。
何も感じない自分になる。
シャットアウト。。。。
悲しい現実でした。
そうでもしなければ、あの通勤電車に乗ることが出来なかった。
会社の中でも同じようなことがありました。
どうしても上司と合わない。
配置換えを申し出ましたが、一女子社員の我侭など聞いてもらえません。
私が辞めるか向こうが辞めるか。 それしか解決策はありません。
しかし、それすら出来なかったとき、私は再び自分の感覚と感情を閉ざしました。
今は、通勤ラッシュにもまれる必要はなくなりました。
あの頃の不快な思いは、過去の思い出となりました。
反面、現在の仕事は感性を問われる仕事です。
過去閉ざしてしまった感覚と感情を、再び呼びもどさなければなりません。
長いこと閉ざしていた感覚は、殆ど記憶から遠のいています。
まして身体で表現することなど、不可能にちかい状態です。
“昔はできていたのに・・・。”
と思うことばかり。
でも、昔は出来ていたのだから、時間をかけて練習すれば、いつか思い出すはずです。
通勤電車に乗っていたときに、感覚を閉ざすべきではなかった。
主人の側に立ったとき、私は主人の身体にくっつきたくなります。
エアコンの効きすぎた車両の時など、温かくて重宝。
勿論、愛情もあってのことです。
知り合いの男性の側に立ったとき、おそらく私の心臓はバクバク言うことでしょう。
知らないおじさんの側に立ったとき、逃げ出したくなります。(ごめんなさい)
でも、嫌なものを嫌と思わないようにするなんて、生半可のことで変えられるものではありません。
隣に立ったおじさんを、好きと思えるようになんて、なるはずがない。
嫌な場面に遭遇してしまったとき、自分を閉ざして、自分の殻にこもるのではなく、違う焦点にスイッチを切り替えるチャンネルを持つべきでした。
マイナスの事柄に焦点をあわせている以上、そこから抜け出すことは出来ません。
将来、自分はどうありたいのか、そのビジョンを明確にさせておくことが大切です。
マイナスの事柄に遭遇したとき、自分のビジョンにチャンネルを合わせれば、いつまでもマイナスの事柄に引きずられることはなくなります。
いつもなら、悶々としてしまう時間も、ビジョンに焦点を向けた途端に、希望に満ちた時間に変えることが出来ます。
悶々としてしまっているときは、将来のビジョンなど考える余地がなくなります。
平常心のときに、自分はどうなりたいのか目標をしっかりとたてて置くべきです。
揺ぎ無い目的が掲げられたとき、たとえ現状に不満があっても、それは目標に到達するまでに必要な過程と思えば、楽しんで取り組むことも出来ます。
通勤電車の中には、いろんなドラマがあります。
自分のビジョンが明確になれば、そんなドラマを楽しむ余裕も生まれるのではないでしょうか。
一度しかない短い人生です。
辛い時間より、楽しいと思える時間を多く持ちたいですよね。
My Home Page : Idun